ホームページやブログについて興味を持って調べたり、Webの世界に関われば必ずと言っていいほど話題に上がるWordPress(ワードプレス)。
Webの世界では今や常識となっているWordPressですが、一般的には知らない方もまだまだ多いようです。
当記事では、WordPressって何?という基本的なところから、WordPressを使うメリットやデメリットまでをやさしく解説します。
WordPress(ワードプレス)とは?
WordPressはCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)と呼ばれるものの一つです。
CMSはWebサイトのコンテンツ(内容)をマネジメント(管理)するシステム(仕組み)のことを言います。
ちょっと分かりづらいですね…。CMSは誤解を恐れず超分かりやすく表現するとするなら、ホームページやブログを作ったり、管理したりするためのソフトのことです。
WordPressは、サイトを作ったり管理するためのソフト・仕組み(CMS)のこと
WordPressの特徴
WordPressの大きな特徴として挙げられるのは以下の点です。
- 無料で利用できるオープンソース
- シェア世界一のCMS
- ブログ型サイトの構築が簡単
これらの特徴について順に見ていきましょう。
無料で利用できるオープンソース
WordPressは無料で使うことができるオープンソースです。
オープンソースというのは、一般に公開されているソースコード(機械語のプログラム)のことで、文字通り公開(open)されたソース(souce)のことを言います。
つまりWordPressは「ご自由にお使いください~」って公開しているソフトだと理解してもらえばいいでしょう。
開発や改良は、有志のユーザーによって行われています。
無料で使える仕組みだからこそ、世界中で広く活用されているんだね!
シェア世界一のCMS
WordPressはCMSの中でも世界一のシェアを誇っていて、なんと世界に存在するWebサイトのうち約4割(2023年現在)がWordPressを利用して作られています。CMSの中では6割以上がWordPressという圧倒的なシェア率です。
個人のブログやサイトだけでなく、WordPressを利用している企業のサイトも数多く存在します。
名実ともに実績のあるCMSで、今もその勢いは健在です。
ブログ型サイトの構築が簡単
WordPressはPHP(ピーエイチピー)と呼ばれるプログラミング言語と、MySQL(マイエスキューエル)と呼ばれるデータベース管理システムをもとにWebページを生成しており、ブログのような投稿機能を簡単に使うことができます。
この投稿機能があるおかげで、サイトの役割として様々なニーズに対応が可能というのがWordPressの強みです。
例えばブログ投稿だけでなく、お知らせや商品ページなど特定の目的に沿ったページを一元管理しやすくなるため、一般的なコーポレートサイトとしてもWordPressは利用価値が高いものになっています。
WordPressを使うメリット
WordPressのメリットはたくさんありますが、主な理由は次の6点です。
- 知識が無い初心者も扱いやすい
- コストは維持費のみ
- 自分のサイトやブログとして運営できる
- 豊富なテンプレート(テーマ)
- プラグインで様々な機能が手軽に使える
- 問題解決の情報がたくさんある
以下詳しく解説します。
知識が無い初心者も扱いやすい
本来はホームページやブログを作るためにはHTMLやCSSと呼ばれるコンピュータ用の言語のほか、JavaScript(ジャバスクリプト)などのプログラミング言語のコードを自分で書く必要がありました。
しかしそのためには多くの知識が必要なことに加え、コード上で作業をしなければならないので直感的にサイトを作っていくが難しいのです。
WordPressはサイトを管理するシステムを使ってサイトを構築しているので、人にとって分かりやすい管理画面からコンテンツを作っていくことでサイトを完成させることができます。
WordPressの管理画面はこんな感じで、人が直感的に操作しやすいようになっています。
さらにホームページやブログを作った場合には、情報を追加したり変更したりするのに更新する必要がありますよね。WordPressであれば、管理画面にさえ慣れてしまえばあまり知識の無い方でも更新作業を自分で行うことができるようになります。
これなら難しいことが苦手な僕でも出来るかも…
コストは維持費(サーバー/ドメイン代)のみ
WordPress自体は無料で使うことが出来ます。
しかしネット上に公開するために最低限必要となる費用として、サーバー代とドメイン代があります。一般的なものであれば大体年間で1万円くらいでしょうか。
サーバーと言うのはサイトの情報を入れておいたりネットで公開する役割を持っているコンピュータのことで、レンタルサーバーを借りるのが一般的です。
そのほか有料のテーマやツールなどもありますが、こちらは任意です。テーマについては「豊富なテンプレート(テーマ)」にて後述します。
「え?お金かかるの?」と思ったかもしれませんが、制作会社に依頼したらサイトを作るだけで数十万円~数百万円は当たり前という世界ですので、月1,000円程度の維持費のみで本格的なサイトが持ててしまうのは、ハッキリ言ってかなりコスパがいいと思います。
参考:ホームページっていくら?Web制作かかる費用や維持費の相場を解説!
自分のサイトやブログとして運営できる
「簡単に使いたいなら、無料ブログやWixなどの無料のホームページ作成ツールを使えばいいんじゃないの?」と思うかもしれません。
確かに全くお金がかからず使えるサービスがあることも事実です。しかし、しっかりとサイトを運用したいと思うのであれば正直あまりオススメしません。
なぜなら、これらのサービスを使ってホームページやブログを作ったとしても、そのサイトの所有権はサービスを提供している側にあるためです。
所有権が自分にないということは、例えばサービスが終了となった場合にはサービスを使い続けることができなくなってしまいます。いくら無料といえども、急に自分のホームページやブログが無くなってしまうという事態は避けたいですよね。また、アクセスを集めたとしてもそれはサービス提供側の手柄(SEOや収益化の問題)となります。
参考:無料ホームページ作成サービスってどう?利用するメリットデメリット
つまりサービス提供者のサービスを使うか自分自身でサイトを作るかどうかで、できることの自由度の幅や受ける恩恵が全く異なってくるのです。
一方WordPressで自分のサイトを持つ場合は以下のようなメリットがあります。
どんなサイトも作ることができる
WordPressはどのようなサイトでも実現可能です。実現したい内容によっては知識が必要になってしまいますが、基本的にWordPressで実現できないサイトはほぼないと思ってもらってOKです。
これはサイトのデザインだけでなく、機能においても同じことが言えます。
そして、レンタルサーバーやドメイン費用を支払っている限り、意図せずサイトが無くなってしまうということがありません。
独自ドメインでサイトの評価を育てることができる
せっかくサイトを作るなら、検索順位を上げてできるだけ多くの人に見てもらいたいですよね。
検索エンジン上の順位は、Webページの質はもちろんですがドメインによっても評価が変わってきます。
参考:独自ドメインを取得するメリットとデメリットは?【本格運用なら必須】
独自ドメインを取得して高品質なコンテンツを作ることで、サイト自体だけでなく検索エンジン上の評価も育てていくことができるのは大きなメリットです。
収益化がしやすい
アクセスが集まるようになれば、広告を出したりご自身の商品を販売したりなど何らかの収益を得たいと思うこともあるでしょう。
自分のサイトを運用するということは、収益化の方法も基本的には自由ということです。
無料ブログサービスなどでも、収益に繋げられるものもありますが、WordPressを使った場合と比較して制限が多くなります。
豊富なテンプレート(テーマ)
WordPressにはテーマと呼ばれるサイトデザインのテンプレートのようなものがあります。
テーマによって、サイトのデザイン性や機能も変わってくるので、適切なテーマ選びをすれば理想のサイトを簡単に作ることができるというわけです。
あなたにピッタリのテーマを、数えきれないほど豊富なテーマの中から選ぶことができます。
参考:WordPressのテーマとは?特徴から選び方まで解説します。
プラグインで様々な機能が手軽に使える
WordPressにはプラグインと呼ばれるものがあります。これは拡張機能のようなもので、様々な機能をWordPressに付加することができます。
例えば、
- お問い合わせフォームを作りたい
- SNSのシェアボタンを付けたい
- バックアップを取っておきたい
など、様々なニーズに応じた機能を比較的簡単に実装することができるのがプラグインの良さです。
本来機能を追加するためにはプログラミングの知識などが要求されるものですが、WordPressのプラグインを使うことで知識が無くても様々な機能を使えるというのは大きなメリットです。
参考:WordPressのプラグインとは?インストール方法や基本的な使い方・設定方法
問題解決の情報がたくさんある
いくら初心者でも扱いやすいとは言え、やはりWordPressを扱っているうちに困ってしまうことも出てくると思います。
しかし、WordPressの強みはその圧倒的な利用人口です。先ほども述べましたが世界のサイトの4割がWordPressで出来ていますので、困ったときには調べれば情報が沢山出てきます。
あなたがWordPressで経験するほぼすべての困りごとは、すでに誰かが経験して情報発信しているはずですので、完全にお手上げだという状況にはなりづらいでしょう。英語が読めるならさらに有利ですね。
そしてもし仮に自分ではどうしようもない状況に陥ってしまったとしても、世の中にはWordPressに詳しい人が沢山います。最悪の場合はクラウドワークス
更にChatGTPなどのAIを活用すれば、WordPressに関する情報も多く収集しているだろうから、質問に対して適切な回答をもらえる可能性が高いね!
WordPressを使うデメリット
逆にWordPressのデメリットはどのようなものが考えられるでしょうか?
WordPressrはサイトを立ち上げようと考えているほぼ全ての方におすすめできるものですが、強いてデメリットを挙げるとするなら以下のようなものでしょう。
- サーバーやドメインを自分で用意する必要がある
- 自由にカスタマイズするには知識が必要
- セキュリティ上のリスク
- 集客のための施策は必須
- 手厚いサポートがない
サーバーやドメインを自分で用意する必要がある
自分でサイトを作るということは、WordPressを設置するためのサーバーやドメインは自分で用意しなければなりません。
とはいえ、今はWordPressの設置が簡単にできるレンタルサーバーがほとんどなので、そこまで苦労することもないかと思います。
当サイトでも、レンタルサーバーの導入からWordPressのインストール方法を解説していますので安心してください。
参考:レンタルサーバーはどれがおすすめ?この4つの中から選べば間違いなし!
また、レンタルサーバーやドメイン代など、最低限の維持費はかかるので完全無料で使えるわけではないというのもデメリットとなります。
自由にカスタマイズするには知識が必要
ほぼ知識なしの初心者でも扱えるのがWordPressの良さですが、もし自由にカスタマイズしたい場合にはそのレベルに応じた知識が必要となります。
初心者がWordPressでできることはテーマやプラグインを使って実現できるデザインや機能の範囲内になるので、それ以上の自由度やカスタマイズを求めるのであればある程度の勉強が必要になるということは覚えておきましょう。
セキュリティ上のリスク
どのサイトであってもリスクがゼロということはあり得ませんが、特にWordPressは世界一のシェア率ということもありハッキングなどの攻撃対象となりやすい傾向にあります。
この辺りは、
- 強固なパスワードを使用し推測されやすいものは避ける。
- 万が一に備えてサイトのバックアップを取っておく。
- こまめにWordPressやプラグインのバージョンアップする。
- サイトをSSL化する。
など、気を付けて対策していれば避けられるリスクなので、セキュリティに対する意識をしっかり持っておくことが大切ですね。
集客のための施策は必須
自分でサイトをイチから立ち上げるということは、集客も自力で頑張らなければなりません。
例えば、Amazonや楽天市場に商品を出品した場合であれば「Amazon」や「楽天市場」というプラットフォームを利用することができるので、何もしなくてもある程度のアクセスが期待できます。
しかし、オリジナルで作ったサイトというのは作っただけで勝手にユーザーのアクセスがあるわけではありません。
検索から来てもらう?SNS経由でアクセスを増やす?広告を出す?はたまたオフラインで認知度を高める?…等々
どのように自分のサイトに来てもらうか戦略を練って、試行錯誤しながら集客を行います。
既に大きなメディアを持っているとか、いくらでも広告を打てるとかいう場合なら別ですが、イチからWordPressで集客をしようと思ったらある程度の労力はかかると思ったほうが良いでしょう。
その代わり適切に集客することができればそれだけ見返りがあるのが自分でサイトを運用することのメリットです。
月100万以上のアクセスを得る…実店舗では達成しえない売上を上げる…など、可能性が青天井な世界であるとも言えます。
手厚いサポートがない
WordPressは無料で利用できる反面、WordPressを利用していてトラブルやエラーが生じてしまった場合、基本的に対応は自分で行わなくてはなりません。
このようにWordPress公式から手厚いサポートが無いということをデメリットに感じる方もいるでしょう。
質問用のフォーラムやマニュアルのようなものは一応用意されていますが、手厚くサポートしてくれるわけではありません。
ただユーザー人口が多いこともあり情報量は多いので、調べることで解決する場合がほとんどです。また、助け合いをしているコミュニティなども結構あるので心配な方は頼ってみるのもいいかもしれません。
その他には、有料テーマであればほとんどの販売元がテーマのサポートをしています。心配な方は有料テーマの利用を検討しましょう。
参考:WordPressのおすすめ有料テーマ20選【コーポレートサイト・ブログ】
確かにWordPressを使っていると困ることもありますが、なんだかんだなんとかなる環境は整っているように思いますし、トラブルを乗り越えた時に知識が付くことも多いので悲観するほどではないかなと思います。
WordPressがおすすめの人
WordPressのことはなんとなく分かったけど、普通にサイトを作ったり無料ブログとかとの違いがイマイチ分かりづらいかも…と思う方もいると思うので表にして比較してみました。
完全自作 | WordPress | 無料ブログ等 | |
---|---|---|---|
HTML/CSSの知識 | 必要 | あれば尚良い | ほぼ不要 |
サーバー/ドメイン準備 | 必要 (年間1万円程度) | 必要 (年間1万円程度) | 不要 |
独自ドメイン | 利用可 | 利用可 | 基本利用不可 (有料で使える場合有) |
自由度 | 高い | 高い | 低い |
管理画面 | 無 | 有 | 有 |
収益化 | しやすい | しやすい | しづらい |
難易度 | 高 | 初心者から上級者まで | 低 |
その他特色 | コードを自分で書く デザインは作り手に左右される 高機能にするには知識が必要 | テーマで好みのデザイン プラグインで機能の追加 | 完全無料で使える |
表を見ていただくと分かる通り、WordPressはほとんどの人におすすめできます。
WordPressは初心者でも扱いやすいものでありながら、Web制作のプロの現場でも使われている本格的なものでもあります。
WordPressが向いている人 | WordPressが向かない人 |
---|---|
手軽に自分のホームページやブログを持ちたい人 知識が無いけど本格的なサイトにしたい人 独自ドメインで運用したい人 機能を持たせたサイト作りをしたい人 Webの見識を深めたい人 向かない人以外のすべての人 | 費用を一切かけたくない人 自分で調べたり問題解決をするつもりがない人 サイトを持つ目的があまり強くない人 |
お金かけたくない場合や、何となく日記を書きたいだけなど、無料のサービスが向いている場合もあります。
ですが、しっかりとしたサイトを求めるのであればWordPress一択かと思います。
例外としてECサイト(通販サイト・ネットショップ)を作る場合には、ECサイトに特化しているShopify
WordPressでサイトを作る方法
WordPressでサイトを作るには、まずレンタルサーバーを契約→そこにWordPressをインストール→テーマをインストール→コンテンツの作成という流れで進めていきます。
実際の作成方法は、以下のリンク先の順番通りに進めていけば、出来上がるようになっているのでそちらを参考にしてください!
参考:【初心者でも自作できる】ホームページ・ブログの作り方【WordPress】
WordPress.orgとWordPress.comは何が違う?
いざWordPressを始めようと思って調べてみると、「WordPress.org」と「WordPress.com」の2つあることに気が付くかと思います。
私がここまでお話ししてきたのは、WordPress.orgの方で、こちらがオープンソースのソフトウェアとなります。
WordPress.comは企業が運営しているWordPressを利用したブログサービスで、ご自身でのサーバーの準備がいらない代わりに月額料金が必要であったり、自由度が低くなってしまうので注意しましょう。
ただ、普通はレンタルサーバーの管理画面からWordPressをインストールする場合が多いからあまり気にしなくて大丈夫!
まとめ:簡単に自由度高くサイトが作れるのがWordPress
WordPressを使うことで、比較的簡単に自由度高いサイトを作ることができます。
「初心者でも使いやすく、しかし本格的に…」
WordPressはサイトを作りたいというニーズに対して、いいとこどりをした仕組みのようなものです。
ホームページやブログを作りたい方は、ぜひWordPressでのサイト作りにチャレンジしてみてくださいね!
次のステップ
STEP.2-1▶【初心者向け】レンタルサーバーとプランの選び方【共用サーバー】
前のステップ
STEP.1-4▶ホームページっていくら?Web制作かかる費用や維持費の相場を解説!