WordPressの投稿記事では、カテゴリーとタグの設定が可能です。
このふたつうまく使いこなせていますか?
「初めてWordPressで記事を書いてみたけどカテゴリーやタグの違いって何なんだろう?」という方や、
「今までなんとなく使ってきたけど、最適な使い方や使い分け方法が分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当記事ではカテゴリーとタグの違いや考え方、その使い分けの基準などについて解説していきます。
カテゴリーやタグをどのように活用したらいいか分からないという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
カテゴリーとは?
カテゴリーというのは、簡潔に言ってしまえばグループ分けのようなものです。
英語で書くと「category」で、「区分」「範疇」「種類」「ジャンル」などと訳されたりします。
別の言い方で表現するなら、フォルダに記事を振り分けるようなイメージでしょうか。
普段パソコンを使っている方であれば、きっとデータもフォルダを使って分類したり書類整理を行っていると思います。
これと同じことで、カテゴリーによってグループ分けすることで、記事が整理されて、サイトで目的の記事を見つけやすくなるというメリットがあるんですね。
サイドバーなどに表示させて、目的の記事を見つけやすくしているブログやサイトが実際に多く見られます。
カテゴリーのイメージは図解すると次のような感じになります。
図では、例として動物のサイトを作ることを想定しています。
また、カテゴリーには親子関係の設定が可能という特徴があります。
図の例で言えば「犬」の項目を親カテゴリー、「プードル」と「豆柴」という項目を子カテゴリーとして設定していますね。
この親子関係は、グループ分けの中でさらに細かく分類したい時に使うことができる機能です。
フォルダの中にさらにフォルダを作るという感覚に似ており、階層関係にあります。
この時、親カテゴリーの一覧では子カテゴリーの記事も表示されますが、子カテゴリーの一覧には親カテゴリーのみに設定した記事は表示されません。
子カテゴリーは親カテゴリーに含まれるので、その階層関係を押さえてください。
カテゴリー設計の考え方
さて、実際にはどのようにカテゴリー分けを考えれば良いでしょうか。
カテゴリー設計での重要なポイントをお伝えします。
それは
ヌケモレダブリが発生しない構造を考える!
ということです。
ビジネス用語で言えば、MECE(ミーシー)と呼ばれる考え方です。このMECEはMutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略で、ダブリが無く、ヌケもない状態を表しています。
記事を書いたときに、その記事にピッタリなカテゴリーが必ず存在し、かつどのカテゴリーに分類すべきか迷わない状態を目指してください。
例えば、カテゴリー内に「エサ」と「犬」のカテゴリーがあるとすると、犬のエサの記事を書いた際に「エサ」に分類すべきか「犬」に分類すべきかが分からなくなってしまいます。
このような分類基準のないカテゴリー設定はしないようにしましょう。
ただし例外があります。それは親子関係にあるカテゴリー同士で被ってしまう場合です。
「動物」という親カテゴリー内に「犬」という子カテゴリーを設定している場合を想像してください。「犬は動物だから、犬の記事を書いたら両方に設定したくなるからダブリではないの?」と思うかもしれませんがこの場合は問題ありません。
あくまで同じ階層内でどちらに分類すべきか分からないカテゴリーを設定しないようにしましょうということです。
ちなみに犬に関する記事なら「犬」カテゴリーのみ設定するようにし、親カテゴリーである「動物」カテゴリーの設定は不要です。
親カテゴリーには「親カテゴリーには該当するが、その中の子カテゴリーのどれにも該当しない場合」に設定します。
基本的に2つ以上のカテゴリーを設定するようなカテゴリー構造は適切ではありません。
このように、ふたつのグループに所属できるようなグループ分けだとカテゴリー設計が甘いと考えてよいでしょう。
そうは言っても、うまく分類できないんだよね…
という方は、どのような分類をしたらユーザーが使いやすいかを想像して、使いやすいと思う分類基準を明確にしてみましょう。
例えば、種類別や目的別でカテゴリーする方法があります。最終的にはユーザーにとって使いやすいか?という点が一番大切です。
適切なカテゴリー設定をすれば、SEOの観点からも良いと考えられますのでしっかりと書き出して設計してみてくださいね。
カテゴリーはどれくらい設定すべきか
いくつカテゴリーを作ればいいのか疑問に思う方もいるかもしれませんが、どれくらいの規模のサイトを作るかにもよりますし、正解はありません。
ただしカテゴリー数が少なすぎたり、多すぎるようであれば、分割や統合を考えると良いでしょう。
目安として最終的に5記事以下しかないような場合には、統合を考えてもいいかもしれません。(もちろん、後々記事が増える予定ならアリです。)
たった1~2記事しかないカテゴリーが量産されていたら、使いづらいのはなんとなく想像がつきますよね?
あくまで、「ユーザーにとって使いやすいか?」というポイントを大切にして、適切な思える規模感でグループ分けにすることをおすすめします。
なお、実際のカテゴリーの設定方法については別記事で解説しています▼
参考:WordPressのカテゴリーを設定する方法【サイドバーに表示する方法も】
タグとは?
続いてタグについてです。タグというのは分かりやすく言えば、目印みたいなものです。
そもそも「tag」には付け札という意味があります。荷札なんかもタグですね。
タグを使って目印を付けておくことで、同じタグを付けた記事を探すことができます。
例えば、タグクラウドというものを利用することができます。
当サイトでタグクラウドを表示するとこんな感じです。(WordPressのテーマなどによって見た目は異なります)
カテゴリーと違い、タグは階層構造は持てません。ちょっとしたキーワードに沿った記事検索に便利なものと覚えておきましょう。
タグ設計の考え方
グループ分けで既に設定したカテゴリーの他にタグを使うことになりますので、カテゴリーとは違う使い方が求められます。
結論から言うと、カテゴリー名には入れていないけど、その記事のテーマやキーワードとなるようなタグを付けるのがおすすめです。
そもそもカテゴリーで設定しているキーワードは、被ってしまうのでタグで設定する必要はありません。
記事内にポイントとなるようなキーワードをタグで設定してあげることで、特定のテーマについて扱っている記事をタグ一覧ページから探すことができます。
他のやり方として、カテゴリー設定した際の切り口とは違う分類が存在する時にタグを利用するという方法もあります。
カテゴリーの説明の時に出した動物サイトの例を借りれば、エサというテーマなどはいい例かもしれません。
各カテゴリーの垣根と関係なく出てきそうなテーマやキーワードをタグで設定してあげれば、エサについての記事を読みたいユーザーにとって検索しやすくなります。
タグはどれくらい設定すべきか
制限はありませんが、1記事に2~3個、多くても5個くらいに留めるようにすると良いでしょう。
一つの記事でしか使われないようなタグを設定しても意味がないので、なんでもかんでも詰め込めこまないように気を付けてください。
また、似たようなキーワードがある場合には統一したほうが良いです。タグを設定する際には以前に似たタグを使っていないか注意してみてくださいね。
タグの設定方法が知りたい方はこちら▼
参考:WordPressのタグの使い方【設定方法や付け方の基本を解説】
カテゴリーとタグの違いと使い分け
以上のことから分かるように、カテゴリーにはグループ分けとして機能させるか目印として機能させるかの違いがあります。
使い分けとしては、まず最初により重要であるカテゴリーを考えましょう。
重要度はカテゴリー>タグです。
- カテゴリーをヌケモレダブリなく設定する。
- カテゴリー分けであぶれてしまった分類やサブキーワードを意識してタグを利用。
- カテゴリーとタグに同じものを設定しない。
この考え方で使い分けてもらえればOKです。
念のため伝えておきますと、タグの利用は必須ではありません。
もしそこまで分類するほどでもないのであれば、カテゴリーの利用だけにとどめてタグは使わないのもアリです。
カテゴリーとタグではプログラムの処理などにも違いがあります。
例えば、カテゴリーの記事一覧ページとタグの記事一覧ページでは、違う見た目になっている場合がありますがこれは表示用のPHPファイルを別に用意しているケースが多いためです。
カスタマイズすることがある方は覚えておくと良いでしょう。
以上でカテゴリーとタグの説明と、違いや使い分けについての解説を終わります。
最後に表でまとめます。
カテゴリー | タグ | |
---|---|---|
イメージ | グループ分け | 目印を付ける |
親子関係 | ||
設計 | ヌケモレダブリが無いように 1記事に1つ SEOに影響あり | キーワードとなりうるもの 多くても1記事に5つ 必要性に応じて設定すればOK |
補足:タクソノミーやタームとは何が違う?
カスタマイズをする中級者以上向けに簡単に補足します。
WordPressでカスタム投稿タイプを利用しようとすると、タクソノミーやタームという概念に直面すると思います。
これらはカテゴリーやタグと似ている気がしますが、何が違うのでしょうか?
実はカテゴリーもタグも両方タクソノミーの一種で、階層があるかないかを基準にデフォルトで用意されているのがカテゴリーとタグなのです。
そしてタクソノミーで設定した個々のワードがタームと呼ばれます。
例えば、カテゴリーで「犬」や「猫」などを設定しているとしたら、この「犬」や「猫」がタームの部分に当たります。
もしカスタム投稿タイプを設定する場合には、タクソノミーやタームの概念が分からないとコードを書く際につまずく可能性が高いので注意してください。