WordPressには、ユーザーという機能があります。
例えばWordPressで作成したサイトの管理をするのに、複数人で管理したいということもあるのではないでしょうか。
その際に役立つのがこのユーザー機能です。
当記事では、WordPressのユーザーについて、その権限グループの違いや使い方を解説します。
ユーザー権限グループを利用するメリット
ユーザーは、権限グループといって「管理者」「編集者」「投稿者」「寄稿者」「購読者」のどれかに設定ができます。
権限グループはWordPress内でできることの権限をどれくらい付与するかを指定するものです。
つまり複数人でサイトを管理するのに、ユーザーごとに何ができるかを変更することができるということです。
権限グループを利用するメリットは以下の通りです。
サイトに関わるユーザーを包括的に管理
権限に制限を設けることで、サイトの安全性を確保しつつサイトに関わるユーザーを包括的に管理することができます。
ユーザーごとにログインIDやパスワードを設定できますので、それぞれのユーザーが自分に与えられた役割のみ果たすことが可能というわけです。
複数人で効率的にサイトを管理できれば、1人でサイトを管理するより負担を軽くすることができますよね。
管理上のリスク管理が可能
ユーザーは権限で割り当てられたことしかできません。
WordPressに詳しくないユーザーがサイトの編集をしてエラーが発生してしまった!なんていう状況を想像してみましょう。
もし、権限グループの設定でユーザーに最低限しか編集できないようにしておけば、こういったちょっとしたミスでのトラブルを回避することができます。
権限グループはサイトを複数人で管理する際に発生が想定されるリスクに対しての対策となるということです。
権限グループによる違い
では、各権限グループにはどんな違いがあるのでしょうか?
ここからは、権限ごとの特徴を見ていきましょう。
まず、権限の強い順に管理者>編集者>投稿者>寄稿者>購読者となっています。
管理者
すべての操作が可能なユーザーです。
WordPressを立ち上げたときの始めのユーザーはデフォルトで管理者に設定されています。
管理者はなんでもできてしまうので、基本的に全責任を負う1人、もしくは信頼できる人もう1人くらいに留めておくのが良いと思います。
サイトの全責任者、サイト所有者
編集者
コンテンツに関するすべての操作が可能です。
ただし、テーマやプラグインなど、サイトの様々な設定に関する事項は操作できなくなります。
コンテンツ管理者、固定ページを含むコンテンツ作成者
投稿者
編集者がコンテンツ全体の操作が可能なのに対して、投稿者は記事の作成や公開が可能です。
固定ページは編集できないので、記事編集に特化した役割を持たせるのに適した権限グループです。
記事執筆者
寄稿者
記事の下書きと編集のみできます。
記事の公開はできません。
最終的な記事確認や公開は権限を持つ者に任せ、ライティングのみをお願いしたい場合に利用します。
公開権限を持たない記事執筆者、寄稿者
購読者
閲覧のみが可能な権限ですが、そもそも一般的にサイトというものは閲覧できるものなので、使われる頻度は多くありません。
ただし、会員サイトなどでログインしたユーザーにのみ記事を公開したい場合などに利用されることがあります。
また、ログインしたユーザーのみが記事に対しコメントできるようにする運用も可能です。
会員サイトの読者、コメントユーザー
ざっくりと権限についてまとめたのが以下の表です。
編集権限 | 管理者 | 編集者 | 投稿者 | 寄稿者 | 購読者 |
---|---|---|---|---|---|
ユーザー | |||||
プラグイン | |||||
テーマ | |||||
設定 | |||||
固定ページ | |||||
コメント承認 | |||||
カテゴリー | |||||
全記事編集 | |||||
記事公開 | |||||
記事執筆 | |||||
記事閲覧 |
権限の詳細についてはWordPress公式サイトから確認できます。
また、権限が異なると、各ユーザーがログインした際のWordPress管理画面のメニューにも違いがあります。
これは管理者と投稿者の管理画面の例です。
それぞれの権限の立場でできることの範囲に差があることが、メニューの違いからも分かりますね。
新規ユーザーの追加方法
ユーザーを新規登録するには、管理画面メニューの「ユーザー」から行います。(管理者のみ新規ユーザーの追加が可能です)
ユーザー内に「新規追加」ボタンがあるので、こちらをクリックしてください。
すると、「新規ユーザーを追加」するための記入項目が出てくるので、必要事項を記入していきましょう。
ユーザー名
ユーザー名は必須項目で、ローマ字で入力します。
好きな名前を決めてOKですが、管理上分かりやすいものにするのが普通です。
ユーザー名はログイン時にも必要になります。
「ユーザー名」に似た項目に「名」と「姓」がありますが、こちらは表示名となります。
入力は任意ですが、記事の投稿者名としてこちらで指定したものが表示されるので必要なら記入しましょう。(設定しなければユーザー名を表示)
メールアドレス
同様にメールアドレスも必須となります。
登録するユーザーのメールアドレスを入力しましょう。
後半の項目にある「新規ユーザーにアカウントに関するメールを送信します。」にチェックを付けていれば、ユーザー登録後、ログイン情報がここで指定したメールアドレス宛に届きます。
サイト
基本的に記入は不要です。
投稿者や寄稿者を外注する場合など、ウェブサイトを持っている個人のサイトURLをメモしておくと、参照したい時に多少役立つかもしれない程度のものです。
言語
こちらも特別いじる必要はなく、「サイトデフォルト」のままでOKです。
必要な場合のみ変更してください。
パスワード
パスワードはユーザーログインする際に必要となりますので、必ず控えてください。
デフォルトでは、自動で生成された強力なパスワードが表示されるのでこのまま利用するのがおすすめです。
「パスワードを生成」ボタンを押せば、新たにランダムなパスワードが生成されます。
なお、ユーザーは後からパスワードの変更が可能です。
権限グループ
最後に権限グループを指定し、新規ユーザーを追加を押下すれば、ユーザーが登録されます。
新規に追加されたユーザーがWordPressにログインするには、登録したメールアドレス宛に届いたログインURL(普通は「サイトのURL/wp-login.php」)にアクセスし、ユーザー名とパスワードを入力することでログインできます。
ユーザー登録の際のデフォルト権限グループを一般設定から指定できます。
「設定」→「一般」→「新規ユーザーのデフォルト権限グループ」から設定します。
ユーザーの権限を変更するには
ユーザーの権限を変更したい場合には、変更したいユーザーにチェックを付けて「権限グループを変更」と書かれいてるところから、希望する権限を選択し「変更」をクリックすることで変更できます。
ただし、権限下位ユーザーは自分で権限を変更できませんので管理者がログインした状態で設定する必要があります。誰でも好きに管理者になれるとすれば権限の意味がありませんからこれは当然ですね。
ユーザーのプロフィール設定
ユーザーは権限以外にもプロフィールやちょっとした設定の変更することができます。
設定するには、プロフィール等を変更したいユーザーの名前のところをクリックしましょう。
すると「ユーザー○○(ユーザー名)を編集」というページがありますのでそこから編集が可能です。
各項目について、簡単に役割を説明します。
※権限のレベルによって表示される項目が異なります。
ビジュアルエディター
ビジュアルエディターというのは、本来HTMLで入力すべきものを見たまま文章入力ができるようにした画面のことです。
これを使用せずHTMLでコーディングするようにエディターを使いたい場合には、「ビジュアルリッチエディターを使用しない」にチェックを入れます。上級者向けです。
シンタックスハイライト
管理者向けの項目です。テーマファイルを編集するときにシンタックスハイライト(コードを分かりやすく色付け)するかどうかの設定です。無効化したい場合にチェックを入れます。基本的に色付いていた方が見やすいので無効化する必要はないと思います。上級者向けです。
管理画面の配色
管理画面のカラーを変更することができます。
試しに「エクトプラズム」に変えてみるとこんな感じになります。
お好みで気分の上がるカラーに変えてみるのもいいですね。
キーボードショートカット
クラシックエディタ―を使う方は「コメントモデレーション用のキーボードショートカットを有効にする。」にチェックを付けておくとショートカットが使えるので覚えておくと便利です。
ショートカットの一覧はこちらで確認することができます。
ツールバー
「サイトを見るときにツールバーを表示する」にチェックが入っていると、ログイン状態でサイトを見るとツールバーが表示されます。
実際の表示を厳密に確認したい場合などにオフにすると良いでしょう。
言語
言語の切替ができます。基本的にサイトデフォルトで問題ありません。必要に応じて英語へ切り替えることができます。
それ以外の言語で使いたい場合には言語ファイルをインストールする必要があります。
名前
名前の項目についてです。
ユーザー名
ユーザー名は変更することができません。どうしても変更したい場合はユーザーの新規登録で対応します。
姓名
名と姓は入れておけばユーザー管理一覧で表示されるので、管理に役立ちます。特に利用目的が無ければ空白で問題ありません。
ニックネーム
一般に公開しても良い名前をこのニックネームで付けておくのがおすすめです。
ブログ上の表示
ユーザー名で表示するか、姓名で表示するか、ニックネームで表示するかなどを選択することができます。
記事上で執筆者を公開している場合にはこちらで設定した名前が表示されるので、一般に公開しても良いものにしましょう。
連絡先情報
連絡先情報はメールとサイトの設定ができます。
メール
メールはユーザー登録に必須の項目です。もしメールアドレスの変更をしたい場合には、こちらから行います。
変更した時、新しく設定したメールアドレスに承認するためのメールが届くので、承認することで変更しましょう。
サイト
ユーザーごとにサイトやSNSのアカウントなどがあり、それを管理したいなどがあれば登録しておきましょう。
設定や利用しているテーマ次第では、記事などのユーザープロフィール上にこれらのリンクを表示することができる場合があります。
あなたについて
プロフィール情報やプロフィール写真の設定項目です。
プロフィール情報
テーマにもよりますが、サイト内にプロフィールを表示する設定にしていればプロフィール情報に入力した内容が表示されることがあります。
当サイトでも、サイドバー上でこのように表示されています。
プロフィール写真
プロフィール写真はコメントした時に表示されたりします。
ただプロフィールカード上の写真の設定箇所は、テーマによって独自のものを設けていたりしますのでこちらの設定で表示されるとは限りません。反映したい場所に反映されないと思ったら、テーマの設定箇所やマニュアルを確認してください。
アカウント管理
新しいパスワードに変更とセッションの管理ができます。
新しいパスワード
パスワードを新しいものに変更するには、「新しいパスワード設定」をクリックします。好きなものを設定してもいいですが、自動で強力なパスワードが提案されます。セキュリティの観点から言っても提案されたものを使用することをおすすめします。
セッション
現在ログインしているものとは別のPC等でログイン状態にある時、他の場所でログインしているものをログアウトすることができます。
ユーザーの削除
ユーザーを削除する方法を説明します。
ユーザー一覧から、削除したいユーザーの名前あたりにマウスを持っていくと「削除」という項目が出現しますのでこちらをクリックしてください。
するとユーザーの削除画面に進み、これらのユーザーを削除しようとしていますと出るので、間違いが無ければ「削除を実行」を押下するとユーザーが削除できます。
ユーザー名を変更したい時
ユーザー名を変更したい場合もあるかと思いますが、ワードプレスではユーザー名の変更は出来ないようになっています。
名前やニックネームの変更で目的が達成できるのであれば、そちらで対応しましょう。
事情があってどうしても変更したいという場合には、新しくユーザーを新規登録し古いものを削除することで対応します。
まとめ:目的に合わせてユーザー権限を使い分けよう
ユーザーを利用することによって、サイトの管理がしやすくなるということを説明してきました。
権限の付与はレベルによってできることが変わってくるので十分注意しましょう。おすすめとしては権限の重いユーザー(例えば管理者や編集者)は最低限にすることです。
多くの権限を複数人に与えてしまうと、サイトをおかしくしてしまってトラブルのもとになる可能性があります。目的に合わせてユーザー権限を使い分けてみてくださいね!
なお、当記事ではご紹介しませんでしたが、「User Role Editor」などのプラグインを使うと、ユーザー権限の変更をカスタマイズしたりすることができます。気になる方は調べてみてください。